伝統的会話集会は、2010年11月16日に、人類無形文化財の代表リストに登録されました。

深い歴史を持つ伝統的会話集会が、一見して、無駄な時間を過ごしているかのように見えますが、それが今日まで続いていることは、この集会が社会生活の中で重要な役割を果たしてきたことを示しています。トルコのある地方では忘れられかけ、老人の間にだけ息づいていますが、またある地方では、変わりゆく生活条件に適応しながら続いています。

伝統的会話集会は、トルコの様々な地方で異なる名前をつけられているとはいえ、基本は同じものをさしています。最大の目的は、仕事の時間以外に残った時間を、会話しながら、そして楽しみながら過ごすことと、楽しませて育てることです。この集会は、伝統が忘れられることなく生かされること、村やマハッレ(居住区)の共同体意識を作ること、愛情と敬意などといったいろいろな道徳の成立と持続の手助けをしています。

口承で伝えられた伝統的会話集会は、伝統の息づく地域で、特に民衆の文学、民衆のダンス、民衆の音楽、演劇といった鑑賞芸術とともに、社会的儀式の伝承にとても重要な役割を果たしてきました。年齢の高い人々といっしょにこの集会に加わった若者は、伝統を体験しながら学び、体験しながら持続していこうと努めます。

この集会は、社会的正義、博愛主義、寛容、敬意といった倫理の価値を身につけるといった、教育的なはたらきも持っています。伝統的会話集会は、あらゆる社会層からの人々が参加できます。参加者は平等な地位を持ち、社会的和平を保証します。こうして社会間の寛容と和平の成立への過程で重要な役割を果たしています。