カリグラフィーといえば、コーランの文字にある美しい文字美術が頭に思い浮かびます。フェニキア人系のネバト民族により使用されていた際にアラブ人に伝えられた、シンプルな形から成るこの文字美術は、イスラムの流入とともに重要視されるようになりました。トルコ人がカリグラフィーに関心を持つようになったのはアナトリアに入ってきてからで、最も栄えたのはオスマン時代においてです。ペンはカリグラフィーにおける正書の基本的な道具です。この美術では、アシがペンとしてより多く使用されます。特別なインクと紙が準備されるこの美術に関わる人々は、ハッタト(書家)と呼ばれます。