スルタン・スレイマン1世の命により、トルコ史上最高の建築家と謳われるミマル・スィナンによって建立されました。イスタンブールの旧市街中のモスクの中でもひときわ大きなモスクです。スィナンが初めにシェフザーデ・モスクを造った際、〝このモスクは私の修行中の作品だ〟と言ったのを知ったスルタンが、より壮大なモスクを造るようスィナンに命じたのがこのモスクの建立のきっかけでした。
スルタン・スレイマンの夢
伝説によると、スルタン・スレイマン1世は、スレイマニエモスクの建設を決意したとき、ある夜夢の中で預言者ムハンマドに会いました。ムハンマドはスルタンに、モスクをどこに建てるかを示しました。 大きな興奮と喜びでこの素敵な夢から覚めたスルタンは、喜びの涙を流してアッラーに感謝しました。 次の日最初の仕事として、預言者ムハンマドの示した場所に行き、ミマル・スィナンをそこに呼んで、スィナンにその地にモスクを建てることを話しました。スィナンも、もともとその提案を待っていたかのように、スルタンに、夢で見たムハンマドの言葉を繰り返しました。
スルタンは、「まるで私の夢を知っているようだな」とスィナンに言いました。スィナンは同じ夢を自分も見たことを話すかのように、
「王様、王様の昨夜の夢に私もおりました。王様の2歩後ろに私もいたのです。」と言いました。 これを聞いて喜びと興奮が倍になったスルタンは直ちに、 「それではすぐにモスクの建設を始めよ」と命じました。